選炭(せんたん)とは掘り出された石 炭から精炭(製品となった石炭)製造ま での作業過程のことで、機械や人の手に よる選別、水や油での洗浄など様々な方 法があります。端島では大きく分けて、
1.人力による選別(手選)
2.浮力による選別(バウムジグ)
3.粉炭の選別(浮選)
の3種類が行われていたようですが、炭 質が最良のものだったので、逆に選炭施 設の発達は他炭鉱に比べてそれ程早くは ありませんでした。現在では殆どの施設 が崩壊し、かろうじてドルシックナー(
3.浮選用の濃縮液の製造)という直径 20mもある巨大な凝縮槽が確認できる だけです。


選炭施設としては唯一目立つ形で残存する巨大なドルシックナー



RCの構造物だけ残存する水洗機ブロワー室


かろうじて基礎が残る浮選機室跡


選炭は様々な行程を経て行われますが、櫓や捲座と違って殆どの炭鉱跡地に残存していません。
現役で稼働する池島炭鉱のものを参考にご覧下さい。



原炭ポケット
産出された石炭を最初に貯蔵しておく場所。原炭
の品質に応じて、分けて貯蔵する役目を持ってい
ます。


ブラッドフォードブレーカー
選炭の初期段階の選別機。石炭とぼたの選択破砕
とよりわけを同時に行う機械。端島の場合は破砕
とスクリーンによる単純な手選が主流でした。



バウム水洗機(バウムジグ)
選炭のメイン機。石炭を混入させた水に、空気で
人工的に波を発生させ、浮いたものを石炭、沈降
したものをぼたとして選り分ける機械。


浮選機
石炭を水洗い等することによって出た粉炭を油を
含む溶液に浸し、浮いてきた石炭だけを上部にあ
るヘラ状のもので選別する装置。



ベルトフィルター
浮選機(右上)で選別した微粉を脱水して回収す
る装置。端島では同じ目的のために濾布を巻いた
真空のドラムを用いる装置が使われました。


ドルシックナー
端島にはシックナーは一つでしたが、池島には幾つ
もあり、選炭用水の凝縮から還元水の濾過まで幾段
階もの行程があります。

 
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黒ダイヤのトンネル

プロローグ

■端島炭鉱沿革■

沿革

■主要施設■

鉱業所全景 坑道 竪坑 捲座 選炭施設 貯炭ベルトコンベア 換気施設 動力施設 硬(ぼた)

■周辺関連炭鉱■

<図>周辺地図 中ノ島炭鉱 三ツ瀬 高島炭鉱 横島炭鉱 崎戸炭鉱 池島炭鉱

■鉱業所のデザイン■

様々なデザイン