■ 主要扇風機室 ■

扇風機室とは、坑内の空気を常に新鮮 に保つために、坑道の出口に設置し、坑
内の空気を排出する扇風機がある建物で、
メインの扇風機は大きく、主要扇風機と
いわれました。
初期の温度差を利用した自然通気かに
変わって扇風機による機械通気が行われ
キャペル扇風機という直翼型の扇風機が
設置されました。その後坑道の規模が大
きくなるにつれ扇風機もターボ型、プロ
ペラ型と大型化していきました。
採炭や運搬は休むことがあっても、こ
の扇風機による通気が休むことはなく、
最も重要かつ経費のかかる施設でもあり
ました。
左奥に見える蒲鉾型の穴の奥に主要扇風機が設置されていました

壁面に残る<主要扇風機>の表示板
主要扇風機が故障した時のための第二扇風機室

■ 風道弁室 ■

坑道内の通気は、新鮮な空気の送り込
みだけでなく、地層から発生する爆発性
のあるメタンガスを薄めて坑外へ排出す
ることによって、坑内で働く炭鉱マンの
命を守る重要な目的がありました。
風道(ふうどう)とはこの坑道内の空
気を新鮮な状態に保つための空気の通り
道で、最後にこの弁室がありました。弁
室というのは画像に見える2つの蒲鉾型
の穴のどちらかを弁によって遮断して、
もう一方を使用する構造になっているこ
とからからそう呼ばれます。風道から排
出される空気の対流は、大型の扇風機に
よって行われていました。(上述)
現在では周辺の施設は総て崩壊し、か
ろうじてコンクリ製の外枠だけが生い茂
る木々に囲まれて静かに佇んでいます。
扇風機と直結していた空気の出口