ここに一枚の画像があります。これは前述の温室があった体育館
裏手の高台付近からの光景ですが、この付近はちょうど鉱業所敷地
の一番北端の位置にあたる場所です。体育館(左)と資材倉庫(正
面)と変電所(右)に囲まれた中央の位置には、圧気室と清水建設
の飯場がありました。画像をみても解るようにこの一帯は閉山後の
島内で最も植物の繁殖している場所の一つです。夏場になると鬱蒼
と生い茂り、とても中に踏み入ることが出来ないほどの状態になり
ます。
例えば圧気室を別の場所に移動し、清水建設の飯場を住宅棟のど
こかに移動すれば、このように纏まったスペースの緑地帯を造るこ
とができたのではないかと思います。
また画像中央は島内最大の鉱員アパート(65号棟)の中庭にあ
る児童遊園地跡地ですが、当時の写真をみるとこの児童遊園地に植
物らしきものはみあたりません。確かに公園は児童達が遊ぶ場所で
あり、踏み固められて植物の育つ余裕はなかったと思われますが、
現在一面に草が繁殖しているのを見るとコンクリートでかためられ
た地面ではなかったのだと思います。
このスペースは約30m×21mの広さがあるので、もし中央に
それなりの土壌作りをし、その土壌で育つ可能性の高い一本の高木
を植樹すれば、きっとそれだけでずいぶん景観が違ったのではない
かと思います。柔らかな緑の葉をつける一本の大木を建物が囲む光
景も見てみたかったと思います。